【幼児虐待】田川星華ちゃん傷害致死事件 市の対応に重大な過失か

事件概要

田川星華ちゃん傷害致死事件は、2023年6月に奈良県橿原市で発生。容疑者である山下翔也(27歳)が、交際相手である女性の子供・田川星華ちゃん(4歳)の腹部を圧迫する暴行を加えて死亡させた疑いがあるとして逮捕された。

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なぜ市は事件の発生を防げなかったのか

この事件における最大の問題点は、「なぜ市は事件の発生を防げなかったのか」という事である。

報道が事実である事を前提とするが、県によると、2020年10月以降、医療機関などから星華ちゃんに対する虐待を疑う通報が3回もあったという。そして今年5月には、星華ちゃんの左目が充血しているのが見つかり、星華ちゃん本人から山下容疑者にやられたという主張もあったというのだ。

しかし、母親が「パートナーの手が当たった」と説明したことから、市は虐待はないと判断したという。これは市の判断にミスがあったと疑わざるを得ない。

市の対応に重大な過失か

そもそも、過去に虐待を疑う通報が3回もあった時点で、虐待の事実を疑うべきだった。その上、星華ちゃん本人から山下容疑者にやられたとの意見があったのなら、なおさら虐待を疑うべきだった。

母親が「パートナーの手が当たった」と主張したとしても、何らかの事情から嘘をついている可能性も十分にあり得る。過去数回の通報が虐待の可能性を十分に物語っている。にもかかわらず、実際に怪我をした星華ちゃんの意見を無視し、母親の言葉を鵜呑みにして「虐待はなかった」と判断するなど、対応機関として機能しているとは言い難い。

虐待の可能性が十分あったにもかかわらず、適切な対応を怠り、事態の悪化を招いた。しかも最悪の結果だ。これは市の判断に重大な過失があったと言えるのではないだろうか。

市が適切な対応をしていたら防げていた事件

今回の最悪な事件は、市が適切な対応をしていたら防げていた可能性が十分にある。

市の対応より先ずは母親の対応だろうと言いたくなる人もいるだろう。しかし、例えば母親も虐待の加害者であった場合。または母親がDV被害などにより日常的に恐怖で支配されていた場合。もしくは母親が人格障害発達障害といった何等かの問題を抱えていた場合。こういった事情があった場合には、例え我が子が虐待を受けていても、母親が親としての適切な対応をとるのは難しくなってくる事もある。

だからこそ、第三者である市の判断こそ責任重大であり、絶対的に最善が尽くされるべきなのだ。

何度も言うが、今回の事件において、市の判断は重大な過失である可能性が極めて高い。「仮に市が虐待の可能性を認識していても、虐待だけでは殺人まで予見できない」という意見もあるだろう。

しかし、日々これだけ虐待絡みの傷害致死事件が多数起きているのだから、そういった事件に発展する可能性は十分に考慮できる。

4歳児という、星華ちゃん自身の未来もあれば、国の未来も担う子供の命が奪われたのだ。重大な過失があったのなら、これは実質的に業務上過失であり、個人的には判断ミスをした職員も逮捕されるべきではないかとさえ思う。本当に、怒りが止まらない。